はじめに
持ち家を購入する際、住宅ローンの返済だけでなく、維持費や税金も考慮する必要があります。特に、固定資産税や都市計画税は毎年発生するため、長期的な資金計画が重要です。「ローンの返済額は月々○○円で賃貸より安いですよ」という言葉に惑わされてはいけませんよ。本記事では、持ち家にかかる費用の内訳と、平均的な住みやすい地域の30坪の税金シミュレーションを紹介します。
持ち家にかかる主な費用
1. 固定資産税
固定資産税は、土地や建物の評価額に対して課される税金です。一般的な税率は1.4%で、評価額は市場価格の約70%とされています。評価額は、土地と建物で違います。土地は路線価方式と標準宅地比準方式の2つがあります。路線価方式は、主に都市部で道路ごとに設定された路線価を基に土地の価格を決定します。対して、標準宅地比準方式は、主に地方で近隣の標準的な宅地の価格を参考に評価額を決定します。建物については、再建築価格方式で、同じ建物を再度建設する際にかかる費用を基準にします。ですので、建てた値段は建築業者の売り上げ分があるので、それを差し引いた額ということです。また、築年数が経過すると評価額が減少しますが、最低でも20%の評価額が残ります。これらの評価額は3年ごとに見直され、地価の変動や築年数を反映していきます。評価額は自治体の固定資産税課税台帳で確認できるので、具体的な数値を知りたい場合は役所で調べることができます。
2. 都市計画税
都市計画税は、市街化区域内の不動産に課される税金で、税率は0.3%です。固定資産税と同様に、評価額を基に計算されます。
3. 修繕費
住宅の維持には定期的な修繕が必要です。築年数が経つにつれ、外壁塗装や水回りのリフォームなどが発生し、50年間で約1000万円かかることもあります。修繕費の例を示しておきますが、壊れてからでもいいですが、壊れてからでは不便になってしまうこともあるので、修理に時間のかかる項目は定期的なメンテナンスが必要です。40年間でメンテナンス費用を積み立てるとした場合、毎月2万1000円積み立てる必要があるので、ローンにプラスして払うつもりでいることが大切です。
4. 保険料
火災保険や地震保険の加入が一般的で、5年で15〜20万円ほどの費用がかかります。木造の新築の場合の費用になっているので、建築構造や築年数によっては変化しますが、築年数がさらに10万円ほど増えることもあります。
5. その他の費用
- 管理費(マンションの場合):月額1〜2万円
- 光熱費:月額1〜3万円
- 固定資産税の軽減措置:新築住宅の場合、建物の種別によって3~5年の期間税額が半減される制度あり
30坪の税金シミュレーション
平均的な住みやすい地域で、30坪(約99㎡)の土地を購入した場合の税金を試算します。
1. 固定資産税の計算
固定資産税は以下の式で計算されます:
固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%
課税標準額は市場価格の約70%とされるため、例えば土地の市場価格が1,500万円の場合:
1,500万円 × 70% × 1.4% = 14万7,000円
土地のみの固定資産税は約14万7,000円となります。
次に新築を建てた場合を考える。
建物の評価額は再建築価格方式で算定され、建築費の約50〜70%が評価額になります。例えば、建築費が2,000万円の場合:
2,000万円 × 60% × 1.4% / 2 = 8万4,000円(新築半減がない場合:16万8,000円)
土地に建物が経っている場合、土地の固定資産税は1/6にできるので
14万7,000円 / 6 = 2万4,500円
これにより、土地と建物の合計固定資産税は 10万8,500円(新築半減がない場合:19万2500円)
2. 都市計画税の計算
都市計画税は以下の式で計算されます:
都市計画税 = 課税標準額 × 0.3%
建物がある土地の場合はこちらは1/3になるため、土地1,500万円と建物2000万円の場合:
1,500万円 × 70% × 0.3% / 3 = 1万0,500円(建物がない場合:3万1,500円のみ)
2000万円 × 60% × 0.3% = 3万6,000円
年間の都市計画税は約4万6,500円となります。
3. 合計税額
固定資産税と都市計画税を合計すると:
10万8,500円 + 4万6,500円 = 15万5,000円(新築がない場合:23万9,000円)
年間の税金負担は新築半減がある場合:約15万5,000円(約13,000/月)となります。
半減終了後の年間の税金負担は場合:約23万9,000円(約20,000/月)となります。
まとめ
持ち家の維持には、住宅ローン以外にも税金や修繕費がかかります。特に固定資産税は毎年発生するため、購入前に試算しておくことが重要です。今回のシミュレーションでは、30坪の土地の年間税額は約15万5,000円(半減終了後:23万9,000円)となりました。今回の場合を考えるとローンの月々の費用にプラスして、税金13,000円(20,000円)/月、修繕費21,000円/月、保険料3,300円/月で合計37,300円(44,300円)程度かかることを想定する必要がある。地域や土地の評価額によって変動するため、具体的な購入予定地の情報をもとに詳細な試算を行うことをおすすめします。
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