破水は突然に──真夜中から始まった出産の物語
2025年7月20日、午前1時。静かな夜が、一瞬にして非日常に変わった──それが妻の破水でした。妻に破水したかもと起こされじわじわと何かが出てきてるのを確認。産院に電話して来てくださいということで準備していた入院セットをもって心臓を高鳴らせながら、慌ただしく産院へ連絡。20分後には病院に到着し、そのまま入院が決定。点滴で抗生剤を投与されながら、不安と期待が入り混じる長い時間が始まりました。
子宮口1cm──長い旅のスタートライン
翌朝の内診の結果、子宮口はまだ1cm。「今から少しずつ広がっていきますよ」と医師の言葉を信じ、子宮口を柔らかくする薬を1時間おきに服用する方針に。時間が過ぎても大きな変化はなく、僕は家で陣痛が来るまで待機ということで、いつ連絡が来てもいいように、家を出れる準備は万端でした。
進まない陣痛──孤独な夜の痛み
午後になると妻の下腹部に痛みが現れ始めました。「これが陣痛の始まりかも」と少し希望を持ちましたが、内診では変化なし。夕方には病院の規定で僕が付き添いできず、夜の陣痛に一人で耐えた妻の話は、今でも胸に深く残っています。「あの夜は地獄だった」と語ってくれた彼女の頑張りに、心から敬意を感じました。
子宮口3〜4cmへ──本陣痛への入り口
翌朝になり、促進剤の投与が始まり、ようやく子宮口が3〜4cmに拡大。陣痛間隔も5分を切り、ここからが本番だと実感。僕もやっと行くことが許されたため妻に寄り添いました。腰をさすったり、お尻をグーで押したり、少しでも痛みを軽減できるように必死でした。
グーで押していたとき、不思議な感覚が──それは拳よりも大きな何かが奥から反発する感じ。今思えば、あれは赤ちゃんの頭だったのかもしれません。
分娩室へ──吸引分娩での決断
そうこうしながら破水から約35時間が経過し、ついに子宮口が全開。分娩室へ移動となりました。1時間半ほど医師や助産師が話し合い、妻の体力や状況を考慮して、吸引分娩での早期出産を選択。妻の息みに合わせて準備が整い、いよいよその瞬間が迫ります。
3498gの元気な産声──奇跡の瞬間

破水から37時間後、妻のいきみに合わせて赤ちゃんが元気よく産声を上げました。体重は3498g──ほぼ3500gのビッグベビー。助産師さんからも「こんなに大きい赤ちゃんを帝王切開せずに産むなんて、ほんとにすごい」と絶賛されるほど、妻は本当によく頑張りました。
出産は感染症のリスクから破水後48時間以内が理想とされていて、まさにギリギリの戦いでした。
呼吸トラブルと酸素室──一時の不安

出産直後、赤ちゃんは少し呼吸がしづらい様子で、その日は酸素室で過ごすことに。不安が募るなか、医師たちの迅速な対応に感謝しかありません。翌日には無事に回復し、元気な姿で過ごす赤ちゃんの様子に、ホッと胸をなで下ろしました。
初めての我が家へ──新しい毎日のスタート

出産から5日後、退院してついに我が家へ。新しい家族が加わったこの場所は、以前とは全く違う空間に感じられます。初めての育児に戸惑いもありますが、それ以上に喜びと期待が膨らみます。
この37時間──決して平坦ではない、でもかけがえのない時間。妻の強さ、赤ちゃんの生命力、そして僕たちの家族の絆を深める出来事でした。
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