体外受精でも初産は遅れやすい?予定日とのギャップにどう向き合うか
「出産予定日=赤ちゃんの誕生日」と思っていたのに、予定日を過ぎても何の兆候もない…。そんな不安を抱える妊婦さんは少なくありません。特に体外受精(IVF)で妊娠した場合、「排卵日が正確にわかっているから予定日も正確なはず」と思いがちですが、実際にはどうなのでしょうか?
この記事では、体外受精と自然妊娠における出産予定日の違いや、初産婦が予定日を過ぎやすい理由、そしてその傾向が体外受精にも当てはまるのかを、統計や医師監修の情報を交えて解説します。
出産予定日の決まり方:自然妊娠と体外受精の違い
自然妊娠では、最終月経の開始日から280日(40週)を加えて出産予定日を算出します。これは「ネーゲレの法則」と呼ばれ、月経周期が28日であることを前提としています。
一方、体外受精では排卵日や胚移植日が明確にわかるため、より正確に出産予定日を算出できます。たとえば、胚移植日が妊娠2週0日に相当するとされ、そこから266日を加えることで予定日が決まります。
つまり、体外受精の方が予定日の精度は高いといえるのです。
予定日通りに生まれる確率は?

では、予定日通りに赤ちゃんが生まれる確率はどのくらいなのでしょうか。
神奈川県の湘南鎌倉総合病院が2001年〜2005年にかけて行った調査によると、初産婦1563人のうち、予定日ぴったりに出産したのはわずか99人(約6.3%)だったそうです。
つまり、20人に1人以下という低い確率。これは自然妊娠・体外受精を問わず、予定日通りに出産するのはかなり稀であることを示しています。
初産婦はなぜ遅れやすいのか?
「初産は予定日より遅れる」とよく言われますが、これは医学的にもある程度裏付けがあります。
初産婦は子宮頸管(子宮の出口)が硬く、分娩に向けた「熟化(じゅくか)」が起こりにくいため、陣痛が始まりにくい傾向があります。また、赤ちゃんの頭が骨盤にしっかりはまるまでに時間がかかることも、出産の遅れにつながります。

体外受精でも初産は遅れやすい?
ここが本題です。体外受精であっても、初産婦であれば予定日を過ぎる傾向は自然妊娠と同様に見られるとされています。
排卵日が正確にわかっていても、出産のタイミングは胎児の成熟度や母体の状態、ホルモンバランスなどに左右されるため、「予定日=出産日」になるとは限らないのです。
また、厚生労働省の統計によると、妊娠40週以降に出産する割合は全体の約30.3%にものぼります。この数字は体外受精かどうかに関係なく、予定日を過ぎる出産が珍しくないことを示しています。

予定日を過ぎたときの過ごし方
予定日を過ぎると不安になるのは当然ですが、焦らずに以下のような過ごし方を意識しましょう。
- 妊婦健診をしっかり受ける:40週以降は2〜3日に1回の健診が推奨されます。
- 適度な運動をする:ウォーキングやストレッチで血行を促進。
- リラックスを心がける:緊張は子宮頸管の熟化を妨げることも。
医師の判断で分娩誘発を行う場合もありますが、妊娠42週に入る前に出産するケースがほとんどです。
まとめ:予定日は「目安」、焦らず向き合おう
体外受精であっても、初産婦であれば予定日を過ぎる可能性は十分にあります。予定日が正確に出せるからといって、出産のタイミングまでコントロールできるわけではありません。
予定日はあくまで「目安」。赤ちゃんが自分のタイミングで生まれてくることを信じて、穏やかな気持ちでその日を迎えましょう。
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